日本人の7~8割が投資をしていないと言われている。
貧乏人ほどお金の知識がない傾向があり、お金の知識がない人ほど投資をしない。なので貧乏人で投資をしていない割合は更に高いと思われる。
そもそも貧乏人て何やねんというと、ここでは月の余裕が10万円以下の人を貧乏人と定義する。ちなみに俺自身もこれに当てはまる。
ここまで投資が推奨される世の中になっているにも関わらず、なぜこの期に及んで投資をしない人が多いのか、この記事ではそれを考察していく。
①知識がないから
ひとつめは冒頭でも述べたように、お金の知識がないからという理由が挙げられる。
学校や家庭の教育でお金の勉強をしてこなかった。させてこなかった。
学校教育
つい最近から学校で金融教育を開始したらしいけど今の大人達は学校でお金の勉強をしてこなかった。
この資本主義社会で生きていく上でお金というのは切り離せないもの。古文・漢文は社会に出て使わない人が大多数。一方、お金は社会に出れば必ず使う。
そんな万人にとっての必修科目であるべきはずのお金の教育をなぜしてこなかったのか、それは国民は馬鹿であってくれるほうが政府にとって都合が良かったから。
世の中は仕組みを作る側が有利
幕府の時代からもわかるように、農民に生活の余裕を持たせず、生かさず殺さず飼いならし考える暇を与えないのが管理をする側には都合が良い。まあ昔は殺してもいただろうけど。
国や企業を経営する側としては、国民や従業員には豊かになってほしくないもの。経済的自由な状態になる、つまりFIREされると労働力を失うことになる。
国民の金融リテラシーを高めたくない。いろんなことに気づいてほしくない。馬鹿であってくれ。敢えて学校で金融教育をしなかったのはそういうことだと思う。
家庭教育
学校で金融教育をしてくれないとなると家庭内でするしかない。
と言いたい所だけど肝心の親にも知識がない場合がほとんど。なぜなら親もあなたと同じく金融教育を受けてこなかったから。祖父母もしかり。
投資は怖い物だ。ギャンブルだ。銀行預金だけをして真面目に働きなさいと言われ、お金の話は汚いと教わる。思想は世代を越えて受け継がれてゆく。
②お金がないから
親世代の生活水準で考えてしまっている
家族を持って新築マイホームを建てたら一人前、新車を買うのが常識、保険に入るのは大人のマナー。
皆そう信じてるけど、この価値観は誰が作ったんだろうか?毎月逃げ出せない支払い地獄状態になって得をするのは、この価値観を植え付けた人達なんじゃないだろうか?
それに加え各種増税ラッシュ、保険料の増加、そして後述する物価上昇。今と昔では生活コストが全く違う。年金や退職金にもあまり期待できない。
よって昔の常識は今の非常識。親や祖父母世代は昔の常識を今にも当てはめて押し付けてくるけど、その古い考えを鵜吞みにして生きていては金銭的余裕なんてできない。
物価上昇(インフレ)
現在、日本銀行は年2%の物価上昇率を目標としていて、世界的に見てもこの程度の物価上昇は普通のこと。
1990年代から30年間の日本が異常だっただけであって、そもそも資本主義社会において物価は上がっていくものなんだ。
問題なのは日本は物価上昇に対して賃金上昇が追い付いていないこと。現金の価値は年々目減りしていくことになる。
対策:節約
考えうる対策としては以下。
- 収入を増やす
- 支出を減らす
”収入を増やす”はつまり転職をするか副業をするかになるわけだけど、これは上手くいくとは限らないし万人におすすめできるかは微妙。
対して”支出を減らす”は誰にでもできる。つまり節約。
YouTubeとかで節約や家計管理について情報発信してる人は沢山いるので見てみると良い。くれぐれも高額な情報商材なんて買わないように注意。今時情報は無料でいくらでも溢れてる。
③過去の教訓
なぜ上の世代の人達はお金についての知識がないのか、なぜ誤った知識を持っているのか。
それは昔は現金が正義だったし、投資をしないのがひとつの正解だったから。
そう考えると親や祖父母世代に今は違うんだよといくら説明しても理解しようとしないのは当然なのかもしれない。
百聞は一見にしかず。今と昔は違えど、人は実体験ほど強烈に残ってしまうもの。
昔は銀行預金や郵便貯金の金利が高かった
日本政府は敗戦からの復興の為、国民に銀行や郵便局への預貯金を推奨した。
国民の預貯金によって集めた資金で産業に投資し、銀行は企業にお金を貸し付ける。これが好循環をもたらし、のちに高度経済成長と呼ばれるものが起こる。
国民からすると国が推奨した預貯金のおかげで生活が豊かになり、金利も高かった。
こういった戦後の成功体験により預貯金が正義だという価値観が定着する。
バブル崩壊による株価暴落
そして高度経済成長期が終焉を迎え、バブルが崩壊する。
日本株に投資をしていた人達が大損を食らっているのを尻目に、やはり投資なんてせず預貯金をしていた自分が正しかったんだと再認識する現金信者達。
米国や全世界に分散投資するのは当然別物ではあるんだけど、その判断がつかない人達からすると投資は投資なので、投資アレルギーになるのは自然なことなのかもしれない。
金融機関による搾取
高度経済成長期では人々の生活に豊かさをもたらし味方だと思っていたはずの金融機関が、バブル崩壊後に牙をむく。
顧客の資産の流用、ぼったくり投資信託の販売、短期売買を繰り返させるなどのやりたい放題の惨状に金融庁が是正に動くほど。
これにより損失を負った多くの人がより投資への不信感を持つことになる。
通信業界とか不動産業界にも言えることなんだけど、人々の生活に欠かせない商材を扱う業界が顧客を搾取するのは本当に重く見るべき日本経済の闇だと思う。
昔はデフレだった
1990年代から30年間の日本はデフレ経済で、物価が下落していた。
ただ持っているだけで現金の価値は相対的に上がっていく。それならわざわざ投資なんてしない。かつてはこれもひとつの正解だった。
④政府の陰謀だと思うから(新NISA)
具体的に新NISAの話にはなるけど、これが政府の陰謀だという意見が多い。
新NISAとは運用益が非課税になる税制優遇制度。政府がこんなものを推奨するのは何か裏があるはずだという陰謀論。
いずれ改悪されて課税対象になる説
別の記事でも書いてることなんだけど、新NISAはいずれ改悪されて課税対象になるという説に対しての俺の意見としては「だったら何?」って感じ。
貧乏人はどの道将来の資産形成のために投資はすべきであって、そこに偶然にも新NISAという非課税になる制度があるから活用しているだけ。
つまり新NISAが無かったとしても投資はしているし、仮に後に新NISAが課税対象になったとしても現状に変わりはない。
投資をしないのが一番のカモ
金融機関による搾取しかり今まで散々カモられてきたわけだし、もう信用できないってなるのは自然な感情だと思う。まあ金融機関と政府は違うんだけど密接な関係にはあるわけだから国民からしたら同じようなものなんだろう。
ただ残念なお知らせなんだけど、投資をしていないあなたは既にカモられているんだ。
投資をしていない人も実は厳密には日本円に投資していることになる。円安で物価も上昇に向かっている現状では、たとえ額面は同じでも実質的な現金の価値は目減りしていっている。つまり日本円のみを現金で保有していることが既にカモられているってこと。
⑤なんかよくわからないし面倒臭いから
実はこれが一番多いような気がする。
なんか投資とかよくわからないし勉強するのも面倒臭い。将来とかそんなこと考えたってしょうがないし、なるようにしかならないよ~というひたすら現実を見ない頭の中お花畑タイプ。
投資をしないほうが面倒臭い
変化を嫌うのは人間の本能だから面倒臭いのはわかる。けど人間には理性があり、これを理性的に考えると投資をしないほうが将来面倒臭い。
夏休みの宿題を7月中に終わらせるかラスト数日でやるかという例えに似てるんだけど、この話はそんな次元では済まない。
長期投資による複利の効果や老後は体に無理がきかないことを考えると、7月中に宿題を終わらせれば10の量で済むところを8月後半まで持ち越すと100の量を強いられるイメージ。
複利って何や面倒臭いわって思うかもしれないけどそれはとりあえず置いといていい。
何が言いたいかというと、若い今のうちに少しだけ頑張って早めに人生の宿題を終わらせるのと、老後にそれとは比にならない程の苦労をするのとどっちがいい?ということ。
投資なんて面倒臭いと言っているあなたは実は大して面倒臭がりではなく、将来の100の面倒臭さより今の10の面倒臭さを取ってる俺が真の面倒臭がりなんだ。
【新NISA】貧乏人ほど投資をするべき7つの理由
以下の記事を先に書いたんだけど本記事の続編のように作ってあるので是非ご覧あれ。