結果的には何の成果も得られなかったわけだけど、それでも俺がおこなってきた具体的なアクションは誰かの参考になるのではないか。
そしてこの戦いをブログ記事という形で後世に遺すことで意味を持たせることができるのではないか。という思い。
自分の状況
じゃあガス会社変えろやとか引っ越せやとかいう声が聞こえてきそうだけどそれはその人の状況による。だからまずは俺個人のケースを明記する。
- 賃貸住み
- プロパンガス
- ガス会社は大家の指定なので変更ができない
- 約1年後に県外への移住を検討中なのでガス料金を理由に今のタイミングで近所へ引っ越すのはコスパが悪い
- 使用量によるけど月1400~2200円割高
という状況。そんなわけでこのぼったくり業者と真っ向勝負してきた。
適正価格の調査
まずは自身の住む都道府県の適正価格を知るところから。俺はここを参考にした。
俺は石川県住みなので適正価格は基本料金1760円(税込)で従量単価440円(税込)。
この適正価格に対し、実際の価格はこれ↓
基本料金+従量料金×使用量で計算する。
写真には無いけど6月分は使用量が多かったので2200円割高、8月分は1400円割高という計算。間を取って平均1800円割高だとしても年間2万1600円ぼったくられているということになる。
1年後に引っ越し予定だとしても、この金額であれば交渉にかける手間が割に合う可能性が高いと判断したので交渉してみることにする。
価格交渉
メール編
始めはメールにておこなった。最初の送信したメールの内容は某有料コミュニティの内容を参考にしたものなのでそのままここに書くことはせず簡潔にまとめる。
まず名乗る。貴社のガス料金が石川県の適正価格と比較して高額であることを伝える。そこから、値下げを検討頂きたい旨を伝える。そして対応してくれるならこの件を口外しないことを伝える。
これだけ。数日後、返信が来た。
〇〇(アパート名)〇〇号室〇〇様 いつも弊社をご利用頂きまして誠にありがとうございます。先日のお問い合わせに関しまして弊社の回答をまとめましたので、添付のご確認をお願いいたします。今後ともご愛顧を賜りますようお願いいたします。
添付されたPDFファイルの内容が以下。
…馬鹿にしてんなあ~?
「こういうケースがあり」とか「場合があります」とか何一つ個別ケースが書いてない。明らかにこれは価格交渉のメール全てにそのまま貼り付けて送っているであろうテンプレ画像。
これに対し、俺の返信が以下。
〇〇(アパート名)〇〇号室の〇〇です。添付いただいたPDF画像拝見しました。「貸与しているケースがあり」や、「リース料金として含み設定されている場合があります」など不確定な書き方をされていますが、〇〇(アパート名)の場合は貸与しているケースなのでしょうか?一般的にこういうケースがあるという話ではなく、〇〇(アパート名)の契約内容を教えていただきたいです。貸与している場合は、リース料金が上乗せされているという認識でよろしいでしょうか?また、「石川県の平均価格と適正価格を比較」という見出しになっていますが、適正価格が表示されていないので比較になっていません。私が調べたところ、こちらのページ(プロパンガス料金消費者協会/プロパンガスの価格比較)では石川県の適正価格は基本料金が1,600円(税込1,760円)、従量単価が400円(税込440円)となっています。以前送ったメールを御覧になって分かるように、平均価格ではなく適正価格よりも高額と申し上げさせていただきました。「弊社は県平均単価に対し高額であるとは考えていません」とのことですが、言葉は悪いですが、ぼったくり業者が一定数いることから県平均単価が吊り上がってしまうのは当然のことであり、この場合は平均ではなく適正価格で考えるべきだと思っています。繰り返しになりますが、値下げに応じていただけるのであればこの件に関して一切口外しませんので、今一度ご検討をお願い致します。
以降1か月、返信無し。
…ほう。…死にたいらしいな。(社会的に)
いや、無視とかある…?「それでも値下げはできません」とかならまだわかる。返信するだけマシ。会社が消費者からのメールシカトってそんなことある!?
まあ痛い所を突かれて返しようが無いんだと思った。テキトーな返信してるからだよ。
かくなる上は電話、と言いたい所だけどこの時点で敢えてそれはしなかった。
大家編
その後、大家にこれまでの事の経緯を説明した。まあ直接は話せないから管理会社を通して。
ガス料金が割高であること、価格交渉していたら都合が悪くなった途端シカトぶっこいてること、そのことからここが悪質な業者であることを主張し、ガス会社を変えてもらうようお願いした。
大家はここのアパートに住んでいるわけではないので、大家にメリットは無い。だからあくまでお願いスタンス。そしてひとつ代替案を提示した。
「ガス会社を変えていただきたいです。それが無理なら家賃を月2000円値下げしていただけませんか。どちらか一方でも叶うならばそれ以上何の不満もございません。」
その提案は、なんかスゲー申し訳なさそうに却下された。どっちも無理らしい。
ガス会社を変えることに大家にメリットは無いけど、逆にデメリットがあるのかもしれない。噂で聞いた話だけど、ガス会社はアパートに契約してもらう代わりにその大家のガス料金を値下げもしくは無料にする場合もあるんだとか。つまりズブズブの関係。
消費者センター編
ここで諦める俺ではなかった。シカト決め込まれたまま終わるわけがない。まだ消費者センターという切り札があるのだ。最低でも一泡吹かせてやろう。
ガス会社に直接電話したところで真面目に取り合わない可能性もある。であるならば消費者センターを通して電話すれば相手も舐めてかかるわけにはいかんだろう。価格交渉の成功率も上がる。という思惑があり敢えてここまで電話をしなかった。このビジョンを見ていた。
消費者生活センターはメールでのやりとりはしていない。しかし電話は長丁場になるので格安SIMの使い手である俺には無理。俺の家から石川県の消費者生活センターまでは車で20分。時間単価とかガソリン代を考えて、交渉成功率50%だとしても全然割に合う。いざ。
到着し、おばちゃんが対応してくれた。
とりあえず大まかに説明し、メールの内容を見せる。「長いですけど読んでもらえますか?」と言ったのに10秒程度で流し見。もう一度へりくだって読んでもらえますかと言う。おばちゃん、20秒程度で流し見。速すぎだろ。あの内容20秒じゃ無理だから。やる気あるんかおばちゃん。それともなにか、速読術習得者か?
なんやかんやで相手のガス会社に電話してくれることになったんだけど、どうやら消費者センターとはいえ注意喚起するまでの権限は無いらしい。
今回のケースでいくと、「こういう人がいて返信が無くて困っているそうです。ご対応いただけますか?」と伝えるだけ。そうだったのか。じゃあできること自体は俺個人と変わらないな。まあそれでも消費者センターという後ろ盾があるだけでも効果があると信じたい。
おばちゃんが電話をかける。繋がる。内容まではわからないけど何かめっちゃまくし立ててる。おばちゃんは最初の説明以外相槌ばかり、ずっと相手のターン。相談者である俺が目の前にいることをおばちゃんが伝えると、どうやら相手は俺とも話したいそうだ。電話を代わる。
すげーまくし立てて間髪入れず喋り続けるおっちゃんだった。会話の内容を以下にまとめる。会話が嚙み合ってなかったり繋がってなかったりするけど、そもそも話が行ったり来たりのメチャクチャな会話だったから実際似たようなもんだった。
相手:このサイトに書いてある適正価格で価格設定するとウチは赤字になります。
俺:はい。
だいたい、このサイトは何なんですか?公式の機関ですか?
見ての通り、社団法人です。
でしょ?社団法人だと参考になりませんよ。そこが勝手に言ってるだけですから。
社団法人だとダメなんですか?でもこの価格のガス会社を紹介するって書いてますけど。
このサイトに連絡をして具体的にどこの会社がどの価格なのか証拠を出してください。
もし例えば10社を調べていただいて過半数の会社がこのサイトに書いてある適正価格以下なら、我が社も値下げを検討します。
(値下げする気なんてさらさら無いくせに…。)
検討するだけでしょ?手間もかかるし割に合いませんよ。
絶対に我が社は割高でない自信がある!
ところでメールを返信しなかった理由を教えていただけますか?
返信のしようがない!うちはちゃんと平均価格でやってますから!
(…?)平均ではなく適正価格で見ていただきたいとメールでも申し上げたんですが。
ですからその適正価格がこんなサイトじゃアテになりませんて!ここに連絡してみてもし過半数が(略
そういうことをメールで言っていただければ良かったんですよ。返信のしようがないではなく。
ですから今言ってるじゃないですか!
ですから今ではなくメールで言わなかったのは何故ですか。
だいたい、ウチも沢山使ってくれればもっと下げることはできるんですよ。100㎥でも使ってくれればだいぶ下がりますから。
(そんな使うわけないやん。メチャクチャやん。)
わかりました。なら価格設定を変えろとは言わないので、私の部屋だけ値下げしてくれませんか?
そんなことできませんよ!不公平が生まれますから!
(ぼったくりながら言うことじゃないだろ。)
それはお客さんが自分だけ良い思いしたいからでしょ?お客さんだけの都合でしょ!?
(そりゃそうだろ…。他の住人達の為にも!とかそんな綺麗事言うわけないやん。誰だってそうだろ。)
それはそちらも、そちらの都合で価格設定しているので、自分の都合なのはお互い様じゃないですか?
こんな感じの内容を何度もループしてた。こうやって書くと5:5に見えるけど、相手のおっちゃんが間延びしながら長々とまくし立てて喋ってたから実際は9割おっちゃんのターン。
このままだと埒が明かないし、絶対に値下げには応じたくないという固い意志をおっちゃんから感じた。
わかりました。じゃあそのサイトで調べたらまたメールするので、今度は返信してくださいね。前回は返信が来なかったので都合が悪くなったからダンマリを決め込んでると思ったんです。返信いただけていれば消費者センターに来ることもなかったんですが。
そこからおっちゃんがまたまくし立ててた気がするけど内容は忘れた。まあこんな感じで終わった。
なんの成果も!!得られませんでした!!
ちなみにあのサイトの社団法人に直接連絡してガス会社を調査するなんてことはしない。証拠を出したところで奴等は値下げする気は無い。実生活においては何の成果も得られなかったとはいえ、ここまでの奮闘記は十分ブログネタにはなった。ここらで手を引くことにする。
そして最初にも書いたけど、結果的には上手くいかなかったけど俺がやってきたことは誰かの参考にはなるはず。俺の相手が相当な曲者だっただけだと思いたい。
年間数万円の固定費が浮くチャンスなのに、そもそも行動すらしない人が多い。戦え!!