放課後の寄り道、甘酸っぱい恋愛。これにさえハマっていなければ、こいつさえいなければ、俺もそんな絵に描いたような青春が送れたのかもしれない。
そんな憎きゲームこそが、このREDSTONE(レッドストーン)。インターネットを介した多人数同時参加型オンラインゲーム、通称MMORPGゲーム。
プレイ年数、なんと10年。俺の青春を捧げた、そして青春を奪ったゲームだ。
REDSTONEとの出会い
あれは今から19年前、中学1年生の夏。
まさに人生の青春時代の幕開け。人生で最も濃く、多感な時期。おそらく多くの人が生涯を振り返り一番楽しかったのはいつかと問われると、この時期だと答えるだろう。
そんな貴重な貴重な時期に、俺はREDSTONEと出会った。出会ってしまった。
きっかけは当時小学生だった弟の影響だった。
自宅に初のパソコンが導入されて間もない頃で、弟とパソコンを取り合っていた。
ある日、弟が友達に誘われパソコンでゲームを始めた。「オンラインゲーム REDSTONE」「基本無料」なんだこれ、すげー!パソコンって無料でゲームができるのか!俺もやる!
ここから全てが始まった。
廃課金ゲー(基本無料)
↑これが公式サイトのマイページ。
「基本無料」が罠であるというのは今では常識のようなものだけど、当時は2005年。日本に課金要素のあるゲームが入ってきて間もない頃だった。
↑これがアイテムショップ。
レートは1GEM=1円。左の「カテゴリ」の1項目につきアイテムが数十個あり、とにかく課金アイテムがめっちゃある。
↑特にコイツは必須級。コイツがないと不便すぎてまともにプレイできない。REDSTONEをやったことの無い人でも概要を見ると何となく伝わるはず。昔はこれより機能が少なくて3000円ではなく2500円だった気がする。つまり月2500円の課金はベター。中学生当初はお年玉を切り崩しながらやりくりしていた。
他にも必要装備レベルをマイナス100してくれるバッジがあったり、スキルレベルを上げるアイテム、手持ちのアイテム所持数を拡張するバッグ、とにかくアレやコレやと課金格差を作りそれらを揃えないと強さのインフレについていけない。さすがにそこまでの課金をしたのはバイトを始めた高校生からだったかな。
↑そしてコイツが悪の親玉。察しの良い方ならおわかり頂けるだろう。そう、ガチャだ。
種類が色々あるけど、当時はロトBOXというアイテム一択だった。価格は1個500円。つまり500円で1回ガチャを回せる。当然ゴミアイテムが出ることも多々ある。高校生の時からこれを買い始め、ドキドキしながら開封しては1万円を溶かしたりなどしていた。ガキのなけなしの1万円つぎ込んで爆死した時の感情ときたら…。
1アカウントの上限課金額が6万円だったから、人によっては6万円だったり2アカ使って12万円課金する人もいたり。そういう人は皆大人だった。大人が羨ましかった。早く大人になりたい…って青春ワードを唯一抱いていた時がこの理由だったな。
結局社会人になってからはそこまでの熱量が無くなってたからアホみたいに課金することは無かったけど、専門学生時代に一人暮らしで親から貰った生活費で課金してたのは今思えば本当に感覚がおかしくなってた。毎月6万円ずつ課金してた時期もあったかな。アホ。
久々にプレイしてみる
運営会社が変わったらしくデータの引継ぎがややこしかったから新規アカウントを作成した。
最初に貼った画像もそうだけどキャラデザはこんな感じ。結構良い。
職業ひとつひとつ紹介すると長いから省く。無難に剣士を選ぶ。
キャラ名は「新NISA損切り民」にした。ちなみに俺は損切りしてない。
グラフィックとBGMが懐かしい…。けど最初に降り立つ場所はアプデにより変わってる。こんなとこ見覚えない。
こんな感じで会話を進めていく。
この後あまり懐かしくないチュートリアルを終え、冒険家協会ってとこに飛ばされその建物内のNPCに次々と話しかけ会話を進めていくと、
なんかすぐレベル147になったんだけど!!レベルの表記は名前の横ね。
例えば俺がこのゲームを始めた初期の頃は100時間かけても147Lvになんて届かなかった。それが今やものの10分会話を進めるだけでここまで上がる。インフレひどすぎ。
てかこれダメじゃない?初心者の人が一気に147Lvになんてなってしまったら知識も金も装備も無いんだからむしろハードモードだろ。適正レベルの狩場じゃないと経験値1しか貰えないし、初心者に初期装備のまま147Lv適正狩場に行けって言うのか?こういうのは1ケタLvからコツコツと積み上げてゲーム性を理解していくものなんじゃないのか?
今どきREDSTONEに新規参入者なんて来ないから気にしてないのかもしれない。
これが最初の町、古都ブルンネンシュティグ。いや~懐かしい…。
黄色の看板は露店といって、これで個人間の売買ができる。アイテムを任意の価格で出品してそのまま放置する。この時間帯は早朝だから皆ゲームを開いたまま放置して寝てるんだろう。
中身を見てみると大体みんな金のインゴットという物で価格設定してる。1本につき1億Goldの価値がある。つまり金のインゴット250本は250億Gold。俺の所持金100万Goldぽっちで買える物なんて無い。インフレしまくって完成しきったアイテムばかりが出回ってる。
持たざる者に入り込む余地なんて無い。俺は147Lvにして未だ初期装備。ここから無課金のままゲームを進めていくとすると、クソ非効率な狩りをして何の価値も無いアイテムをドロップしてコツコツと身の丈に合った装備をかき集めていくしかない。しないけど。
これがこのゲームの全体マップ。超広いし、ダンジョンの数も超多い。これを眺めているだけで感慨深い気分になる。いっぱい冒険したな~…。
懐かしき古都西口。ここも大型アプデでMAPの形が変わってるけどこの辺に野良の溜まり場があって大勢の人が座りながらチャットしてた。
その中にウィザードというバフをかけられる職業の人がいた。ファイヤーエンチャントとヘイスト、略してエンヘイ。初期の頃はここに来てウィザードを見つけては「エンヘイお願いします^^」とか言ってかけてもらいパワーアップした状態で狩りに出向いてた。
少し左に行くと病気のコボルトという奴がいる。コイツがドラクエでいうところのスライム。最初に遭遇するモンスター。
じゃあの。
また少し左に行ったらこんな奴がいた。なんだコイツは…!?俺がやってた時にはいなかったぞ。初心者が最初に行くMAPなのにスゲーヤバそうなんだけど。挑んでみようか。
即死した…。何なんだコイツは!一体どうなってしまったんだこのゲームは!マサラタウンの次のMAPに幻のポケモンいるとかおかしいだろ。
次。地下墓地B3のルーン地域。
このゲームは8人以下でパーティーを組んで協力してモンスターを討伐することができる。人数が多いほど経験値は少しずつ減るけど、それでもパーティーを組んだ方が効率的だった。そしてこのルーン地域が、俺にとって最も低Lv帯のパーティー狩場だった。
けど今となっては誰もいない。ここの適正Lvは20とか30程度。キャラ作成後10分で147Lvになるんだからモロ適正外。2ケタLv以下の狩場は今や存在してる意味すらない無用の長物と化した。
路上強盗団アジトB3、通称「廃人」。このアライブコープスって奴がかつては廃人という名前だった。俺はここが2つ目のパーティー狩場だった。強かったな~廃人。
廃坑B9。みんな大好きコロッサス。たぶんここが一番有名なパーティー狩場。
昔はここに辿り着くだけでも重労働で、無課金者は場所を記録してジャンプすることもできない。しかし追放天使という職業がスキルで呼び寄せることができるので、コロッサスまでの有料タクシー、通称コロタクというのがあった。「<!>コロタク10万でしてくれる方いませんか?耳よろ^^」
クソ強え。
あと各Lv帯に秘密ダンジョンというのがあって、1日2回行けるので0時になった瞬間パーティーを組んで2回連続で行くのが多くのプレイヤーの日課になってた。通称0時秘密。日をまたいで一斉に大勢で突撃とか今思えば狂った日課だな。「0時秘密@4募集。耳よろ^^」
最後にオアシス都市アリアン。ここが一番馴染み深い。古都をしのいで最も栄えている都市。こんな過疎ゲームでもここだけはかなり人が集まってる。おそらく町の何となくの雰囲気と、露店を巡りやすい地形から皆がここをメインストリートとして選んだんだろう。
ギルド活動が一番楽しかった
ギルドとはプレイヤーが集まったグループのことで、部活のチームメイトのようなもん。
このギルド活動が何より楽しかった。これが俺の青春だった。
今では普通のことだけど19年前当時は顔も名前も知らない人と仲間になりチャットや会話をするだけで新鮮だしワクワクだった。高校生になるとSkypeというZoomのように通話ができるソフトで会話もした。
ギルドメンバーは偶然にも同年代、特に同い年が多かった。まあ偶然というか、当然ギルドは人が抜けたり入ったりの新陳代謝があるわけで、自然と同年代の気の合うメンツが残ったのかもしれない。
学生らしいアホな会話をしたり、情報交換をしたり、一緒に狩りを楽しんだり、クエストを手伝い合ったり、ギルドバトルや攻城戦という団体戦で共闘したり。
中でも一番楽しかったのが1日1回のギルドバトルだ。このギルドバトルがスポーツでいうところの試合。狩りやクエストは強くなるための練習(修行)。
ギルドバトルはレベル制限をしている部門と無制限部門があった。俺達のギルドは制限部門にいた。一時期は絶対的王者で、34連勝くらいした記憶がある。
俺のメインキャラは「悪魔」という職業で、同サーバー内の制限部門の中では同職でTOP3に入る強さだったと思う。学生の身分で重課金してたからというのもあって。
何度かオフ会もした。酒を飲んだりカラオケをしたりそれも楽しかった。
書いてて感慨深い。学生時代陰キャで友達付き合いは一人の親友との絡み以外ほぼ無し。部活も中学までで辞めたし、このゲームが俺のほぼ全てでありギルドメンバーは家族のように思ってた。
LINE送れば今でも連絡取れるかもしれないけど、その後の黒歴史が災いし
連絡を取るのが億劫になった。
あいつら元気にしてるかな…。
さらば青春の光
という感じで超自己満記事でした。
REDSTONEをやったことない人からするとクソ面白くないし誰が見んねんって記事になったけどまあいいんだ。こうやって俺という人間をさらけ出し、少しずつ読者に愛着を持ってもらうことでこのブログは長続きすると思ってる。
そう考えるとこんな俺の青春を捧げたゲームなんてむしろブログネタにしないとダメだろう。今回のように全く身にならないネタもどんどん出していく所存。人生の集大成として俺のすべてをこのブログに遺しておきたい。あと50年は死ぬつもりないけど。
さらばREDSTONE。さらば俺の青春。