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【黒歴史】Amway(アムウェイ)をやっていた体験談

2024年8月9日

(画像提供:日本アムウェイ

勧誘されたことのない人を探すほうが難しいであろう悪名高きAmwayであるが故、勧誘された話なんて今更何一つ目新しさが無い。けど俺の話は一味違う。

勧誘され、実際にAmwayビジネスに取り組んでいた体験談をまとめる。

俺の人生最大の黒歴史、とくとご覧あれ。

Amwayとの出会い

ワイ、22歳男、陰キャ(主人公)

まず初めに俺の性格から少し語らせてほしい。

俺は今もそうなんだけど当時から陰キャのコミュ障。

陰キャ特有の中二病にも似た症状として、リア充に憧れて無理して背伸びをして交友関係を広げようとする時期がある。しかもそういうのは周りの人からはコイツ無理してるなと伝わるもので、見ていて非常にイタい。それだけでも黒歴史話として十分だと思うけど、俺にとって真の黒歴史はその先にあった。

そんなリア充憧れ病は、俺の人生で二度発症した。中3の時と20代前半の時だ。今回スポットを当てるのは20代前半期、22歳の時だ。絶賛発症中であったことが災いし、俺はAmwayと巡り会ってしまった。

※特定を避ける為、このエピソードトークに関しては一部フェイクを入れてある。ただ大事な部分は変えてないし大筋はほぼ同じ。

青木

俺にAmwayを勧誘した人と出会ったのは石川県の金沢駅近くの居酒屋だった。実は声を掛けたのは俺のほうから。今の俺からは考えられない行動なんだけど、前述したようにリア充憧れ病が発症している時期だったんだ。

少しチャラそうな男に話しかけ、ほんの数分しか会話してないけど意気投合しLINEを交換した。今思えば俺が意気投合したと勘違いしただけであって、彼からするとその瞬間からAmwayの勧誘が頭にあっただけなのかもしれない。

彼は青木さん(仮名)といい、年齢は俺の2つ上。営業職。

友達が少なく暇だった俺は何やかんや青木さんとそれ以降も会い続けた。片町という繁華街に呑みに行ったり、人生で初めてクラブなる所に連れてってもらったりなど、エセリア充生活を謳歌していた。

そんなある日、ついに彼が動いた。

会うのは6回目あたり、ガストで飯を食ってる時の会話にて。

青木「○○(俺の名前)この前さ、コミュ力上げて友達の多い楽しい人生にしたい的なこと言ってたやん?」

そう、彼とはだいぶ打ち解けて、そんな陰キャ全開な心の内を明かす間柄にまでなっていた。

青木「だったら凄い人に会わせてあげようか?」

…ほう。…凄い人ですと?

良い子のみんな、覚えておくんだ。「凄い人を紹介してあげる」的なワードは宗教かマルチだ。気を付けなはれや。

青木「その人も営業職やっててめっちゃ稼いでるし、喋りも超上手くて面白いよ。」

なんかこの辺から青木さんが妙に早口で滑舌が悪くなり、聞き取れない箇所もしばしば。何を緊張しとるんや。青木さんはチャラい割には緊張しい。聞き取りにくいこともあり間の会話はほとんど覚えてないけど、青木さんは続けて切り出す。

青木「アンウェーっトぅコムニティなゃけど~」(訳:アムウェイっていうコミュニティなんやけど)

俺は思った。『なんだAmwayか。』

当時22歳の世間知らずな俺ではあったけど、Amwayの存在は知っていた。

以前、数少ない友達からネットワークビジネスとかいうものに誘われているという相談を受けたことがあり、怪しく思った俺は友達に騙されて欲しくない一心で色々調べたことがある。ネットワークビジネスなるものはネズミ講とは違うこと、その大手にAmwayとかいう組織があることは知っていたんだ。

青木「ィっケィ話キぃつ見るっ?クォカワさんティ人ナニャキドゥオオ~~」(訳:一回話聞いてみる?黒川さん(仮名)って人なんやけど)

俺は二つ返事でOKした。というのも、俺は陰キャでコミュ障のくせに変に自信家で、騙されない自信や嫌なら断る自信はあったんだ。

日を改め、何の警戒心も無く青木さんと共に黒川邸へ向かう。

青木「*%’#@。*#%>&」

到着。綺麗な一軒家。

ピーンポーン ガチャ

黒川

黒川「はじめまして、黒川です。」

出てきたのはいかにもデキる男です的な面構えをしたイケメン。既婚者で子供は1人。不動産の営業マンをやりながらAmwayビジネスに取り組んでいるという。

テーブルに俺と黒川さんが対面で座り、俺の横に青木さんが座るという位置取り。

会話をしていると、確かに喋りが上手くユーモアもある。コミュ力が高い。他愛もない会話のように見えて、言葉のひとつひとつに何かの意図を持たせているような感覚がある。

というのも相手からするとこの時点で既にAmwayの勧誘が始まっているんだ。まあ当たり前か。他愛もない会話は顧客のニーズのリサーチ。

俺は人生で叶えたい夢なんてものを聞かれた。夢とかクサくて人に話したことなんてないし、特に考えてもいなかった。内容は忘れたけど何一つ具体的ではないことを思いつきで話した。

Amwayは目的ではなく手段

Amwayをやっている人達は明るくキラキラしていて、常にポジティブ。そしてやたらと夢を語りたがる。そこが多くの人にとってAmwayの集団が宗教っぽくて気持ち悪く見える要因のひとつで、俺もそれは気持ち悪いと思う。

ではなぜAmwayの集団が夢を語りたがるのか、それは目的が重要であると考えているから。

叶えたい夢という目的があり、Amwayはあくまでそれを達成する為の手段に過ぎない。

黒川さんもそこを強く主張していた。黒川さんは自らの夢を語り、これを叶える為の手段としてAmwayが最適だと思ったからやっているだけだと言う。

むしろこの話が根幹であり、収入を得る仕組み(マーケティングプラン)よりも時間をかけて話していた。

Amwayをやる人が伝えたいことの根幹

人生の幸福を形づくる要素は「時間」「お金」「人間関係」「健康」の4つ。

普通の仕事をしていては、これらすべてを手に入れることはできない。

しかしAmwayで成功すればそれが可能である。時間にもお金にも縛られず、一緒に居たい仲間と共に自由を手に入れることができる。自分の本当にやりたいことが叶えられる。というもの。

スポンサリング

そこから流れるようにAmwayの説明、そして収入を得る仕組み(マーケティングプラン)や商品の説明に入る。これらをスポンサリングという。

Amwayとは

(画像提供:日本アムウェイ

1959年、当時のアメリカはキング牧師の暗殺など差別の激しい社会。

そんな中、リッチとジェイという二人の白人が”成功を望むすべての人々に平等にチャンスを提供したい”という理念のもとAmericanWay略してAmwayという会社が設立される。

人種、国籍、性別、宗教、学歴関係なく平等に評価されるビジネスモデルは当時のアメリカでは有り得ないことだった。現在は世界100の国と地域に広がっている。

健康補助食品、美容製品、家庭用品、浄水器などの製造・販売が主な事業内容。

ビジネスモデルはいわゆるマルチレベルマーケティング(MLM)方式であり、会員が商品を販売したり、新たな会員として勧誘をしてネットワークを拡大していく形態をとっている。こうしたMLMの特性上、批判や論争の対象になることもあるけど、ネズミ講とは違いMLMは合法。

(当時の)マーケティングプラン

10年前の記憶を掘り起こして説明する。今は内容が少し変わったらしい。

Amwayは会員制で、登録料は3600円。ただし登録から1年以内であればその3600円が全額返金される。続ける場合は毎年更新料が3600円かかる。勧誘の義務は発生せず、ノルマも当然無い。むしろ勧誘活動をせず商品を買うだけに登録している人の方が圧倒的に多いらしい。

商品には1年間の全額返金保証が付いていて、開封した状態でも中身が残っているものを返品すれば代金がすべて返金される。それだけ自信のある高品質な商品なわけだけど、そんなサプリメントや日用品などを日常的に購入していると、その金額に応じてポイントが発生する。金額が大きいほどポイント付与率も高くなる。それが以下の表。

このボーナススケジュール表が、Amwayの収入のみで生活ができる、いわゆる成功者を輩出するビジネスモデルの仕組みへと繋がる。

まずは商品の流通の話から。

通常のメーカーの場合、メーカーで商品を製造し、一つの例としてそこから商社、代理店、問屋、店舗へと流通し、消費者が店舗でそれを購入する。

当然その中間業者達も利益を取るので価格が吊り上がっていく。メーカーで10円で製造した物が消費者の手に届く頃にはその10倍の100円になることもある。

Amwayの場合は自社で製造・販売しているのでその中間業者が要らず、他メーカーよりも高い原価で製造し、消費者が安く購入することができる。

その浮いた分のお金がCM料として、ディストリビューター(会員)に還元される。その還元率を記載したものが、このボーナススケジュール表ということ。

このPVとはポイントの単位。当時のレートは1PV=約1.4円。

試算をしていくので、わかりやすく1PV=1円に直して計算する。最終的に1.4倍すればそれが実際の金額になる。

例えば俺がサプリメント、洗剤、シャンプーなどを購入し3万円の買い物をしたとする。するとポイントは3万PV。

上のボーナススケジュール表を見ると3万PV~は3%。つまり3万円の3%で、900円が俺のキャッシュバック額になる。

ここからがビジネスの話。

このPVは自分自身だけでなく、自分が勧誘したメンバー、そしてそのメンバーが勧誘したメンバーなど、要は自分から始まったすべての人を自分のグループとみなし、グループ全体から発生したポイントを合算することができる。

例えば俺がAさんとBさんを勧誘しメンバーになり、自分を含めた3人がそれぞれ3万円の買い物をしたとする。

すると俺は自分のグループから発生した売り上げが

自分3万円+Aさん3万円+Bさん3万円=9万円

となり、ボーナススケジュール表を見ると9万円~は6%。つまり5400円が俺のグループのキャッシュバック額になる。

ただしこれを俺が独り占めできるわけではなく、あくまでグループ全体のキャッシュバックが5400円ということ。つまりここからAさんとBさんへ分配する必要がある。

グループ全体のキャッシュバック5400円からAさんの取り分900円、Bさんの取り分900円を差し引き、手元に残った3600円が俺の取り分ということになる。

俺はAさんとBさんを勧誘したことにより一人の場合よりも4倍もの収入を得ることになったわけだけど、これはAさんBさんが損をしているのかというと、構造上は全く損をしていない。AさんBさんからすると、俺が居ようが居まいが自らの取り分が900円であることは変わらない。

とはいえ勧誘した俺が一番得をしているからネズミ講なんじゃねえのと思うかもしれない。そこで青木さんの登場だ。青木さん久しぶり。

青木「*%’#@。*#%>&」

俺は青木さんに勧誘されたわけだから、青木さんからするとこの図の4人共が自分のグループということになる。

青木グループ全体のマーケットは12万円。キャッシュバック額は6%で7200円。

先程の計算と同じように、グループの人達の取り分を差し引く。すると、あら不思議。

青木1800円 俺3600円 Aさん900円 Bさん900円 という内訳になり俺の取り分が一番多い。

これは青木さんは俺一人を勧誘したから1800円、俺はAさんBさんの2人を勧誘したから3600円で計算上ちょうど倍になり、仕事量が正当に評価され、収入の逆転が起こる。

まあこれは数字のマジックだから数値を変えれば収入の逆転が起こらないケースもある。半分子供騙しのようなもの。なので「Amwayは上も下も関係無い」と言う人がいるけどそれは詭弁。間違いなく先に始めたほうが有利。

一旦青木さんには退場して頂き、俺が起点の話に戻る。

俺のグループが拡大していき、グループ全体で150万PVのマーケットを生み出したとする。

するとボーナススケジュール表の赤文字21%に到達し、グループのでき方にもよるけど、俺の手元に残るのは通常25~30万円程度。

実際は1PV=1.4円なので、150万PVは約210万円分のマーケットを構築することになる。

グループの一人ひとりにしっかりと商品の良さを伝え、自分の存在に関係なく商品そのものを好きになりリピートしてくれることで売り上げが安定し、皆大好き不労所得なるものを手にすることができる。

ちなみにこの21%を年間1回達成するとSP、3回はGP、6回はDD、フルの12回でFDDという称号になる。

FDDまでいくと平均年収500万円。プラスAmwayから無料の海外旅行に毎年招待される。

そしていずれ俺だけでなく、俺が勧誘した人が150万PVの21%を達成する可能性もある。

するとその人のグループは独立となり、

訂正:WCA→DCA

その独立者を何本排出するかにより更なる称号が手に入る。

この図の場合、俺は6本の独立者を出しているのでダイヤモンド達成で平均年収約2000万円。

独立者を多く輩出するほど成功する、体よく言えば「仲間を成功させるほど自分が成功できる。友達と共に成功ができるビジネス。」

そしてAmwayをやっていない人でもこの人は知ってるって人は多いと思う。Amway世界一の成功者は中島薫という日本人で、このDCA(ダブル・クラウン・アンバサダー)は唯一無二の称号であり、世界で彼しか存在しない。

あ、何回も言うけど当時の話ね。今は知らん。

商品説明、デモンストレーション

マーケティングプランの後、商品説明と、他社との比較実験(デモンストレーション)を見せてもらった。

Amwayは世界トップクラスの技術力を誇り、莫大な研究開発費を投入している。そしてマーケティングプランの説明にもあったようにAmwayは他社と比較して原価率が高い。同じ価格なら何倍もの原価をかけられるので非常に品質が良い。という説明を受けた。

デモンストレーションは2つの鏡を用意し両方に同じ位の量のラー油をかける。そして一方にAmwayの食器用洗剤、一方に他社の食器用洗剤をかけ、ラー油と混ぜ合わせる。それを水で流す。Amwayの洗剤を混ぜ合わせたラー油はサッと取れ、他社のほうのラー油は長時間水をかけても取り切れず、鏡にこびりついているというもの。こういう感じのデモンストレーションを3商品くらい見せてもらった。

これで説明はすべて終わり。黒川さんと初対面からここまでの所要時間は2時間ほど。

ワイ、会員になる

ワイが会員になった理由

話を聞いてすぐに俺は会員登録した。

理由は損をすることが無いから。これって買い物をするだけでも得じゃね?と思ったからだ。

受けた説明が本当であれば、薬局やスーパーで購入できる日用品よりもハイクオリティな物を安く購入できるわけで、更にそこに返金保証まで付いている。気に入る商品が何一つ無かったとしても、解約すれば登録料の3600円も返ってくる。ビジネスは陰キャでコミュ障な俺にはとてもできる気がしなかったけど、買い物専門のメンバーになるだけでもお得な話だと思った。

ということで俺は黒川さんや青木さんの思惑通りAmway会員になりその日は解散。

ワイ、空気清浄機と浄水器を購入

そこから改めて青木さんや黒川さんとの付き合いが始まった。短い期間で何度も会い、様々な商品の説明やデモンストレーションを見せてもらった。

空気清浄機、浄水器など高額な商品もメンバーになって割とすぐに購入した。

ちなみにここはかなり曖昧だけど空気清浄機は14万円+フィルター代の年間コストが2万円、浄水器が12万円+フィルター代の年間コストが2万円かかる。これも買わされたわけではなく、あくまで自分自身で判断し価値があるものだと思って購入した。例えば当時毎日ペットボトルの水を飲んでいた俺はおそらく年間5万円ほど水にお金をかけていた。これを浄水器に切り替えれば4年もあればペイできるという考え。

ワイ、ミーティングに行く

ある日青木さんから「ミーティング行ってみない?」というお誘いが来た。

青木「まあミーティングといっても発言とかはしなくてよくて、ただ聞いてるだけだよ。」

俺「よくわからんけど行きますわ。」

日付を聞くと、仕事のある日だった。当時の俺は仕事が7時~19時の12時間労働で休憩無し、ミーティングとやらは18時~20時までとのことだった。着いた頃には終わりかけてるやん…。

青木「少し見るだけでも価値があるものだから、来た方が良いよ!」

俺「ほ~ん。まあ少しでいいなら。」俺チョロい。

そして当日、仕事が終わって会場へ向かう。会場と言ってもなんちゃらセンターの講義室の一室を間借りした会場。

『ミーティングって会議だよな…?喋らなくていいってことは会議を黙って聞いていればいいのか…?』

終了前15分に会場へ突撃する。眼前に飛び込んできた光景は、ビシッとした感じの人が前でずっと話しており、それを座ってメモを取りながら聞く数十人の人達。

…これセミナーやん…。

そう、Amway界ではセミナーのことをなぜかミーティングと呼ぶんだ。

なんだよミーティングって。わざわざややこしい名称に変えんなよ。セミナーって言い方だと警戒されるからか?負い目感じてんじゃねえよ(笑)んで15分聞いただけだとよくわからんし。

以降もミーティングという名のセミナーに誘われ続け、暇な俺はわざわざ毎回参加料の1000~2000円を払って通い続けた。

ミーティング(笑)の内容は商品に焦点を当てたものもたまにあるけど大体はビジネス寄りの話。Amwayの成功者がゲストとして呼ばれ、自身がどうAmwayと出会ったか、いかにして成功していったのかを語りながらAmwayのマーケティングプランをするという新規向けのものがほとんど。

そんなもの毎回行って意味あるのか?と思うだろうけど、その疑問はAmway新規参入者あるあるで、ほとんどの人が通る道。その疑問を自分のアップライン(いわゆる上の人)にぶつける。どのアップラインも口を揃えて言う。

「ミーティングに通い続けることが一番重要だ。成功者と思考を擦り合わせることが大事。」

『ほ~ん、よくわからんけど、そういうもんなんか。』なんて思ってたけど違う。そうしたほうが洗脳しやすいんだ。洗脳の良し悪しは別として。

ワイ、やる気になる

Amwayに限った話ではないと思うけど、人は些細なきっかけで突如やる気スイッチが入ることがある。俺のAmway人生にもそれが訪れた。

いつものようにミーティングを聞いていたんだけど、その内容が妙に俺にハマった。

『なんか俺にもできるような気がしてきた…。』

それまでは商品を使いながらミーティングを見に行っているだけでビジネスはできる気がしなかったんだけど、その日のミーティングを聞くとできるような感覚になった。

結論を言うと、できた。その3か月後、俺は月収39万円を達成することになる。

ワイ、目指す

友達の少ない俺がこれで成功するには、まだ見ぬ仲間と出会う必要がある。

そのため人の集まるイベントや繁華街に出向いては見知らぬ人に声をかけて友達になろうとした。

ややこしい話だけど、俺はコミュ障ではあるけどそれは会話が苦手というだけであって、人見知りではないんだ。声をかけることにはほとんど躊躇が無い。けどその後の仲良くなるまでの過程が俺にはハードルが高かった。

これも結論を言ってしまうけど、そういう人達とは深い関係を築くことはできず、あの時新たに出会った人の中で今でも付き合いのある人は一人もいない。

マーケティングプランでも書いたように、自分から始まるグループから210万円以上の売り上げがあればSPという称号を達成できる。まずはそこを目指した。

というか、ここから具体的なエピソードを入れると長すぎるから割愛する。

ワイ、達成する

ただしその中身はとても泥臭いものだった。おそらくAmwayで初SPを達成するほとんどの人がこういう構造になってると思う。ちなみにうろ覚え。

俺の場合は自分の取り分が大きかったので39万円になった。計算するときっかり39万円にはならないと思うけど、他にも俺が勧誘した人が何人かいる。少し買う人がいたり、登録だけして全く買わない人がいたり。まあうろ覚えだし何となくこういう感じ。

まず俺自身が日用品のストックを買い込む、そして未購入だった鍋セット(22万円くらい?)もそのタイミングで購入。

空気清浄機、浄水器、鍋は大型製品と呼ばれる。高額なので売るのは難しいけど売れれば一気にポイントが上がる。ただし消耗品ではないので当然一度買った人は大抵もう買わない。

称号を目指していく過程の人は大体この大型製品を売るという諸刃の剣を駆使しながら達成していくことになる。その例に漏れず俺もそうで、到底実力とは言い難い無理やり過ぎる達成だった。

ワイ、借金する

次の月、俺は収入36万円を達成する。その内容は初の達成時より更に無理やりで、事もあろうに俺は借金をすることになる。

当時の俺は金遣いが荒く貯金が無かった。なので空気清浄機、浄水器、鍋もローンを組んでいたし、それとは別にマイカーロンも組んでたから、正確には元々借金はしてた。

そこから初SPを達成する過程で有り金を使い果たし、二度目のSPで借金をすることになる。

ちなみにAmwayは商品のローン以外での借金は禁止しているので規約違反。借金をするという判断は俺自身のものであって、Amwayは悪くない。

金遣いが荒く当然収支の管理なんてしていなかったから当時の借金額は把握していなかったし今でもわからない。最大の時期で合計200万円くらいいってたのかも。

ここだけの話、成功しているように見えて実際には借金まみれなんて人は多い。

欠乏の罠

欠乏の罠といって、お金が無いとIQが低下する。これは嫌というほど身をもって体験済み。

元々金遣いが荒かった俺が欠乏の罠によって更にそれが加速する。

Amwayの活動はしないといけない。俺は成功したい。けど金が無い。当時の俺はタバコも吸っており、ストレスで辞められない。ミーティングにも行かないといけない。メンバー同士の付き合いでお世話になってる人へのプレゼントや誕生日パーティーにも参加しないといけない。日々の移動や、時々横浜や神戸への遠征もあるので交通費もバカにならない。新規の人と会うための呑み代や遊ぶお金も、これもビジネスの一貫だと言い聞かせ捻出する。だからめっちゃ遊ぶしめっちゃ金使う。

そうして負のループが巻き起こり、借金地獄に陥る。返済の延滞もしょっちゅうしていた。

結局それで首が回らなくなっていき、徐々にミーティングやイベントにも顔を出せなくなり、モチベーションも低下。数か月、数年をかけて徐々に徐々にフェードアウトしていくことになる。

ワイ、すべて失う

そして今現在も俺はメンバーであり気に入った商品だけを使っている状態ではあるんだけど、かつての俺のグループは今や一人もいない。

俺があの時誘って入会した人達、中にはやる気になって一緒に頑張っていたグループメンバーもいた。それが今では崩壊し、誰一人残っていない。

不労所得とやらは何だったのか。

Amwayの人達が言いたいことはわかる。俺もやっていた身だから、辞めていった人達がどう言われているのかは知ってる。見てるかお前ら。

「グループの人が買わなくなるのは製品の良さを伝えられていないから。」

「今ほとんど商品使ってないってことは結局あなたもわかってなかったんでしょ。」

「何が何でもという目指す気持ちが足りなかったからだ。」

「続けていればいつかは成功したのに見抜けなかったんだね。残念。」

もちろん俺の力不足でもあるんだけど、俺の中での事実としては、不労所得なんてものは幻。

諦めた瞬間のこの上ない安堵感

徐々にフェードアウトしながらも、一貫性の法則が働きAmwayを諦めきれずにいた。

一度言い出したことなんだから曲げてはいけない。今は借金で首が回らない状態だけどいつか復帰してまた頑張らないといけない。関わってる人全員に俺はAmwayで成功すると言ったんだから。と、ずっと抱え込んでいた。そんな、気が重い期間が多分3年くらい続いた。

どの場面か忘れたんだけど、ふとした時に初めて思った。

『もういいか…。』

その瞬間、一気に肩の荷が下りて過去味わったことのない安堵感が込み上げてきた。あの感覚は一生忘れない。めちゃくちゃ気持ちが楽になった。

Amwayは向き不向きがある

ということで俺にはAmwayは向いていなかったとようやく見切りをつけた。

「Amwayは向き不向きは関係無い」とAmwayの人達は言うんだけど、これは嘘。

「周りに人はいくらでもいるし、日用品を口コミするだけなんだから友達の多さとかコミュ力は関係無いだろ」という理屈らしいんだけど、この主張は無理があり過ぎる。

友達が多い人のほうがその周りの人も多いし、口コミであってもコミュ力が高い人のほうが有利に決まってる。Amwayは間違いなく向き不向きがある。

やった後悔、やらなかった後悔

「やった後悔よりも、やらなかった後悔の方が強い。だからやってみた方がいい。」

なんて言葉があるけど、俺はAmwayをやったことの後悔が未だに残ってる。

ただ、これがもしやっていなかったとしたらそれ以上に後悔していたのかもしれないし、どちらが正解だったのかはわからない。

後悔してると言ってもAmwayは悪いものだったという話ではない。実際Amwayで幸せになった人もいるだろうし、友達同士で成功して夢を叶えた人も沢山いる。

だから俺の実力不足や努力不足ではあるんだけど、結果論として俺はAmwayをやったことを後悔しているし人生最大の黒歴史だと思ってる。

借金により失った空白の5年間

具体的に何を後悔しているのかというと、それは借金。

結局俺はAmwayビジネスから離れても借金を負い続け、完済するまでに5年の歳月を要した。

5年で200万円とか、もっと早く返せるだろと思うかもしれないけど、そこは俺もめちゃくちゃ同意する。今の俺なら1年で返す。

ただ、これがさっきも書いたように欠乏の罠というものが非常に厄介。

例えば当時の俺はスマホ通信料に8000円近く払ってた。これは光回線抜きで端末のみの通信料。当時は通信料を見直すという発想すら出ない。これ以上安くならないかな?と考えることすらできない。

仕事も給料が超安かったけど転職する気力なんて無い。面倒臭いという感情が先行する。

タバコも完済1年前くらいまでは吸ってた。借金のストレスで辞められない。

ローン以外の借金をした人ならわかると思う。本当に思考能力が低下するんだ。

当然100%自分のせいではあるんだけど、その5年間はほぼ中身の無い空虚な5年間だったし、何も得られることも無く借金だけゼロになった状態で5年後にタイムスリップしたような感覚。

後悔していることは借金とは言ったけど、それは本質的には時間。

もしAmwayをやっていなかったら全く違う5年間を送ることができたのかなと思うと、取り返しのつかないことをしたなと思う。今まで実生活でも言ったことが無かった本音だけど、人生やり直せるならやり直したいと思ってる。

Amwayは友達を失う?

じゃあ人間関係に後悔は無いのかと言われると、それはわからない。

前述したようにAmwayビジネスを始めてから出会った人達とは今では全員会わなくなった。けどAmwayを始める前は当然会ってなかったわけで、Amwayによって失った友達とは言えない。

オンラインゲームで出会った友達

一旦話は変わって俺には小学校高学年から大人になるまで10年間続けていたオンラインゲームがある。それはRED STONEという俺の青春を捧げたゲーム。

当時、毎日のように一緒にプレイしていたメンバーが数人いてリアルではオフ会で2~3回会った程度だけど付き合いは非常に長い。書いて字の如く十年来の友人だ。

俺は彼らを本気で友達だと思っていたしAmwayを伝えた。一緒にやろうぜと。当然悪意は無い。けど彼らは一瞬にして態度が一変し、一人残らず離れていった。

ほら見ろAmwayは友達失うじゃねえかと思うかもしれないけど、それがわからないということ。

十年来とはいえ所詮ネットの関係なんてそれだけ浅い絆だっただけなのか、それとも本当に友達を失うのか。俺個人の答えとしては、前者だと思ってる。

二人の親友

というのも、元々友達の少ない俺にも二人の親友がいる。

子供の頃から仲が良かったその二人の親友にも当然Amwayを伝えた。一緒にやりたかったからだ。

二人ともそれを断った。けど関係性は全く変わることはなく、今でも普通に会っている。

たまたま結果的に離れていかなかった二人を親友と呼んでるだけだろと思うかもしれないけど違う。Amwayを始める前からこの二人は間違いなく親友と呼べる存在だった。

本当の友達は失わない。と思う

Amwayは友達を失うかどうか。それは考え方によるんだけど、離れていった人達は所詮それまでの関係性であって初めから友達なんかではなかった。

親友である二人は離れていかず、今でも何ら変わらない関係性を築いている。

したがって、Amwayをやることによって失った友達は居なかったんじゃないかと思ってる。

Amwayの成功は多くの人の不幸のもと成り立っている?

他によく言われることとして「Amwayの成功は多くの人の不幸のもと成り立っている。だから幸せにはなれない。」という文言がある。

これは俺の場合は結果として本当だった。俺自身Amwayを始めて不幸になったと思ってる。

そして俺のグループの人達もそれによって幸せになった人はいない。

ただし、グループの人達が不幸になったかどうかはわからない。Amwayは借金も推奨していないし、ミーティング費用やそれにかかる交通費も無駄だったのかはわからない。

Amway製品は割高?

Amwayは商品が割高だからそれを加味するとその分不幸にさせてるって言う人もいるんだけど、Amwayがどの商品にどれだけの研究開発費を投入しているのか、本当に割高なのか、やってる俺にもそれは結局よくわからなかった。

ミーティングでは毎回のように原価率がとても高く、価格に対しての品質がとても良いと聞いていたし、具体的な資料を見たわけでもないけどそれが本当なんだろうなと信じていた。

ただし実感できる商品は少なく、俺は今もメンバーだけど一部の商品を少し使ってる程度。個人的にはオーラル系、洗剤系、鍋類の商品は良いものだと思ってる。

Amway製品は高価格帯

割高かはわからないけど、価格が高いものが多いことは事実。

「本来Amwayの商品は富裕層向け」なんてことを言う成功者も多かった。

空気清浄機

例えば空気清浄機。Amwayの空気清浄機の性能は、家庭用空気清浄機部門では数値上世界一位を誇る。

そしてその世界一の性能の割には価格が安いといっても、果たしてそれがその人にとって必要なのかは別の話。極端な例でいうと、3000万のランボルギーニを1000万で買えるとして、あなたはそれを転売とかは別として自己使用目的で買いますか?という話。いくら性能が世界一であっても空気清浄機が14万円+年間フィルター代2万円もかかるのは多くの人にとってオーバースペックなんだ。

マルチビタミン・ミネラルサプリメント

そしてAmway人気No.1商品、トリプルXというマルチビタミン・ミネラルのサプリメント。

これも非常に高く、1か月分で9500円。

このサプリメントがいかに拘りを持って製造されているかやファイトケミカルという成分が大量に入っていることが強みであることも、これでもかという程インプットしてきたし重々承知なんだけど、いくら品質が良くてもビタミンとミネラルとファイトケミカルごときの為に月約1万円も払う人なんて中々いない。

そもそも今の俺はマルチビタミンのサプリそのものに疑問を持ち始めてはいるんだけどまあ置いといて。

プロテイン

あとプロテイン高すぎ。

Amwayのプロテインは当時ソイプロテインのみ。たんぱく質1gあたりの価格で比較した場合、Amwayプロテインはプレーン味だとしても俺が今飲んでるエクスプロージョンのホエイプロテイン抹茶味の4倍くらいの価格になる。正気の沙汰ではない。

このように、質が高い割にといってもそんなもん高すぎて普通買わねえよという物が多い。

Amwayの呪い

商品が基本的に高価格帯であることに加え、購入者はAmwayの呪いを背負い続けることになる。

というのも、例えばビジネスをやっていない人が空気清浄機を購入し自宅のリビングなんかにそれを置くとする。

Amwayの空気清浄機を知ってる客人からすると、それを見ただけで「うわ…この人Amwayやってるんだ…。」と拒否反応を示す人もいる。

その購入者はAmwayビジネスをやってるわけでもないのに、そういったAmwayの呪いによって無くす付き合いもあるかもしれない。

気にしない人もいるけど、現実として「良いってことはわかったけどAmwayの商品を自宅に置くのはちょっと…。」と断られるケースは非常に多い。

Amazon(アマゾン)とかで買った方が安い

更に言うと、やってる時から気付いてたんだけどAmazonで買った方が安いものが多いんだ。

Amwayは自社以外から製品を購入することを禁止してはいるんだけど、メンバーではない人からしたらそんな規約を守る義務なんて無いわけで知ったこっちゃない。

ということはいくら俺が頑張って商品をプレゼンしたところで、その人はAmazonで買った方が安く購入できる上に年会費もかからないのでそうするのが合理的なんだ。

つまり俺がマーケットを構築していくには、付き合いで保険に入る人のように人情の部分で買ってもらい続ける、もしくは情弱を騙す以外に無いということ。

前述したAmwayは高価格帯であることやAmwayの呪いの要素も相まって、Amwayの商品を売るハードルは非常に高い。

世の中にはうまい話はあるけど普通の人には降りてこない

Amway界でもこの言葉は聞いてたけど、話の持っていき方が真逆。

「世の中にはうまい話はある。普通の人には降りてこないものだけどAmwayだけは例外。」なんて言う人もAmway界にはいた。

けどこれは嘘。これまで散々書いているようにAmwayで成功するのは超大変なんだ。労力が全く見合わないし決してうまい話なんかではない。

よく聞くことだけどAmwayで成功する人は他のことをやっても成功する。これは本当にそう。

メンタルが強くなった

ネガティブなことばかり書いてきたけど悪いことばかりではない。といってもこれは唯一のメリットと言ってもいいかもしれないけど鋼のメンタルが手に入った。

これは容易に想像つくと思う。普通の生き方をしていたらここまで人に断られたり拒絶されたりすることなんて無い。親戚の断った人達も含め、拒絶した彼らは今でも俺をAmwayの人だと思っているし、俺は一生この十字架を背負い続けることになる。

この境地までいくと他人の目なんてマジでどうでもよくなる。

洗脳されてはいなかった

ミーティングに通いつめ本気で取り組みながらも、何だかんだ俺はAmwayに染まってはいなかった。

逆にいうとそれが上手くいかなかった要因なのかもしれないけど。

Amwayビジネスは素晴らしいし続けていれば必ず上手くいく。とは思っていた。ただその一方で『俺は絶対にAmwayには染まらねえ…!』という中二病精神も持ち続けていた。

ずっと気持ち悪いという感情を抑えていた

Amwayのコミュニティの雰囲気がずっと苦手だったし気持ち悪いと思っていた。

ミーティング会場でメモを取りながらサクラのように反応する人達。

話を聞きながらAmwayで販売されているXSというドリンクか、同じくAmwayで販売されているパウダーのジュースを入れた専用ボトルを会場にいるほぼ全員席に置いている。

なんだこの集団は…。

Amwayが宗教だと言われるのもわかる。俺はそんな人達を尻目に、頑なにXSや色付きジュースのボトルは会場の席に置かなかった。XSは買ってはいたけど。まあまあ旨いし。

成功の為にはやむなし

「夢」だの「仲間」だのという言葉も気持ち悪いと思ってはいたけど、そこに関しては無理をして俺もその言葉を使っていた。

成功する為にそれを言い続けることが大事なのであれば甘んじてそれは受け入れようという考えで、内心気持ち悪いと思いながらもそこは致し方無いと思っていた。

ただその無理をしていた自分への嫌悪感も相まって、今では「夢」とか「仲間」という言葉は更にアレルギーになり、以降その言葉を声に出して言うことは無くなった。

ちなみに記事内で「成功」という言葉を使いまくっといて何なんだけど、その言葉も少し苦手だったりする。まあ二文字で通じる言葉だし便利だからね。

人生最大の黒歴史

超長くなったけど俺の20代の半分以上を捧げたと言ってもいいAmway人生を語ってみた。

まだ書けることは沢山あるけど今確認したら文字数1万6000超え。いい加減終わろう(笑)

Amwayは俺に向いていなかっただけで悪い物ではないと思う。もちろん悪い面もあるけど、それはどの業界も同じ。Amway創立者のリッチとジェイは今でも尊敬に値する人物だと思っているし、Amway界にも素晴らしい人はいる。

以上を見ての通り、俺の挑戦は当ブログが初めてではなくAmwayに次いで二度目の挑戦だ。

このAmwayをやっていた過去は人生最大の黒歴史。本当は語りたくなかった。けど格好つけずにこういった面もさらけ出す。そういう人間味を出していくべきだと思った。

俺はいつかこのブログで経済的自由を得たいと思ってる。今度こそ。

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