ほんの一握りの天才や秀才であれば、いわゆる良い借金ってやつができるかもしれない。けど俺やあなたのような凡人は基本的に借金はしないほうがいい。
そんな話を実体験を踏まえて書いていく。
凡人は借金しないほうがいい
優秀な人の「借金しろ」を真に受けるな
優秀な人達は「借金しろ」と言う。例えば、野菜大好きおじさんことホリエモンは「車を一括で買う奴はバカ」的な発言をしてる。けどそれは彼が天才であるが故に凡人への理解に欠けてるからなんだ。あんな和牛大好きおじさんの言うことは話半分に聞いとくのが吉。
優秀な人の中にも、凡人を理解できるタイプと理解できないタイプの人がいる。堀江貴文ことホリエモンは後者。
うぬぼれるな
そんな優秀な人達の括りに自分も当てはまると思い上がらないほうがいい。
「住宅ローンなんて金利1%なんだから一括で返すくらいならその分をレバレッジ効かせて投資に回せば住宅ローンの金利以上の利益が見込める」とか、
「都市部の優良物件ならローン組んででも購入したほうが損失にならないどころか購入価格以上の価値になるじゃん」とか、
言うだけなら簡単なのよ。それができれば皆億万長者なのよ。
初心者「レバレッジを効かせればいい(ドヤ)」
限りなくリスクが低い投資信託と言われてるS&P500は平均利回り7%くらいだと言われてるけど、それはあくまで過去数十年全体をならした場合の話。過去の歴史を見ると、元の水準に回復するまでに25年かかったという大暴落もある。
投資は必ずリスクがあるし、あくまで不確定要素。年間〇%返ってくるから~なんて前提で考えるのが間違い。それで借金を抱えながら何年も元本割れ起こしてたらどうすんのという話。株価なんて誰にも読めない。だからこそ長期のインデックス投資をしてるんでしょということを忘れがち。
例外もある
クレジットカード
ひとくくりに借金と言っても様々な借金があり、中には例外もある。
その最たる例ならぬ最たる例外がクレジットカード。これも基本的には1~2か月後に後払いしているので厳密に言えば借金。けどこれはOK。現代社会を効率良く生きていくにはクレカは必須アイテム。
ただし巷でよく言われているようにリボ払いは絶対アカン。ほぼ利息しか払ってねーじゃんという状況に陥りかねない。
奨学金
親側の視点で見るなら、子供の大学の学費や生活費くらい貯めといてやりなよとは思う。ただ子供側の視点で見るなら、家にお金の余裕が無い場合に奨学金を借りて大学に行くのはアリだと思う。
大卒だと平均の生涯収入が上がるし、大学生だからこそできる経験は今後の人生の大きな財産になるんじゃないかと高卒の俺が語ってみる。
そう、俺は大学に行けなかったんだ。行かなかったと言うのが正しいのかもしれない。大学に行ける程のお金の余裕が無く、奨学金を借りるかどうか迷って結局借りなかった。どっちが正しかったのかはわからないけど少し後悔することもある。
その他
せどりで売り上げがほぼ見込めている場合とか、不動産投資とか、他にも借金をしてもいい様々なパターンはあるのかもしれない。俺の知らないことはいくらでもある。俺は色々経験してきたわけでもないし全く大した人間ではない。だから偉そうなことは言えない。
だけど俺が凡人だからこそわかることは、凡人が借金をするデメリットは想像以上に大きい。俺が実感したその最大のデメリットが次の項。
欠乏の罠
欠乏の罠といって、借金をするとIQが低下する。これは身をもって経験済み。
自分は人様からお金を借りないと生活することができない。自分の面倒さえ自分で見ることができていない。そういった負い目や借金に追われるストレスから心に余裕が無くなり、思考能力が低下する。これが想像以上に厄介。
まずこれを語る上で前提となるのが、俺の人生最大の黒歴史でもあるAmwayをやっていた過去を伝えないといけない。借金してしまったことは強要されたわけでもなく俺自身の判断なのでAmwayのせいではない。ただ、これをやってしまったが為に借金をしていたのは事実。
詳しくは上に貼った記事を見てほしいけど、なにぶん約1万7000文字の超大作。要するに俺は過去Amwayビジネスに取り組んでいて、称号の達成の為に自ら商品を買い込んだりその他様々な活動費の捻出の為借金をしてしまったというもの。
出費が増える
まともな人なら、借金をすると支出の少ない慎ましい生活になるものだと思うだろう。でも多くの場合は逆。そんなことができる人はそもそも借金なんてしない。
まだ見ぬ仲間と出会う為、Amwayビジネスの一貫であると大義名分を掲げ毎週末繁華街で呑み歩く日々。来月のことなんてほぼ考えない。今月中に多く勧誘できればなんとかなるだろという根拠の無い考えのもと遊び呆ける。そして結局上手くいかず借金が増える。延滞する。
酒ならまだしも、タバコも当時やっていた。いや辞めろやって話ではあるけどAmwayが上手くいかないことや何より借金のストレスで辞められない。ちなみに今は酒もタバコも一切やっていない。金に余裕があるほうが心に余裕ができ、結果支出を抑えることができる。
固定費の見直しもできない
生活の固定費の見直しなんてことをする発想すら出ない。
今ではスマホの通信費は格安SIMなんてものがあるし、他にも電力会社、ガス会社も見直せる。
例えば当時の俺は通信費を8000円払ってた。まあ借金が始まった当初はahamo等の格安プランは無かったけど、借金完済したのが今からちょうど2年前なのでahamoが開始してから完済までの約1年半は利用することができた。でもそんな発想は出ない。
「あ~、ahamo?なんか聞いたことはあるけどメンドそう。」といった具合に、たとえ5000円安くなろうと、考えることや行動して新しいよくわからないことをやるのが面倒臭いという感情が勝ってしまう。まあこれは借金してなくても情弱あるあるだと思うけど。
で、結局8000円を払えず通信を止められ、次の日ショップに直接支払いに行き「先月払えてなかったですか?なんか残高が足りてなかったみたいです~。」とか言いながら日払い単発アルバイトでなんとか捻出した資金を握りしめて払いに行ってた。しかも何度も。本当に愚かだった。
スマホの故障も放置
そういやスマホが原因不明の不具合ですぐに電源が落ちてまともに使えない現象が起きたまま半年間くらい放置していた時期もあった。
これを放置していたせいで仕事でも人に迷惑かけたし、家族や友達が何度も連絡くれているのに電源がつかず長時間連絡が取れないなんてこともあった。
どうせ修理にも買い替えにも1万円以上はかかるんだろ?そんな金無いししょうがねえじゃん。なんて思ってショップに持っていくことすらしなかった。もう何もかもが面倒臭い。
今思えばそれをググることすらしてなかった。それ程までに思考力が低下してた。
医療費もかけられない
俺は手が乾燥しがちなんだけど、当時は皮膚科に行くお金の余裕も心の余裕も無い。というか行ってみないといくら請求されるのかわからないから足りないリスクを考えると腰が重かった。おかげで当時の手はヒビ、あかぎれまみれでカサカサ。とんでもないことになってた。
歯にもお金をかけられなかったから当時は虫歯も放置。借金を完済した頃には物凄い惨状になっていた。完済後に歯医者に通いつめ今では虫歯ゼロ。保険適用外のセラミックも入れてホワイトニングにまで手を出すようになった。歯、大事。
クレジットカードが停止された
で、そんな生活をしていたら当然の如くクレカの支払いもままならない。何度も延滞しているうち、所持していた楽天クレジットカードの使用が停止された。
あれは忘れもしない2020年3月31日、姪っ子の1歳の誕生日プレゼントを買うためトイザらスへ行った。目当ての物を見つけクレカ支払いで購入しようとするとクレカを挿す機械が通らなかった。楽天に電話で確認すると、お客様のクレカは停止されていますと言われた。
理由は教えてくれなかったけど、それは明白だった。度重なる支払いの延滞だ。ちょうど年度末だったから再審査があって落とされたんだろう。
手持ちの現金も口座の残高も足りない。結局その日は約束していた誕生日プレゼントを買うことができず一人でトボトボ帰宅した。その場に家族がおらず一人だったのがせめてもの救い。借金していることなんて言えない。
姪っ子の数千円の誕生日プレゼントすら買うことのできない、借金を抱えクレカも停止されたアラサー独身男性。すごく惨めだった。
結局次の日、既に手を出していた消費者金融に追加で借金してそれを購入した。約束してしまっていたし、もはや意地だった。
自己肯定感が下がる。これも借金すべきでない理由のひとつ。
ETCの不正利用も放置
それ以来クレカは停止されていたわけだけど、それに付属するETCカードは引き続き使用できていた。
けど金が無いし高速道路なんて利用する気は無い。なので長期間使用しておらず、いつの間にかETCカードを無くしていた。どこ行った?まあいいか。探すのメンドイし。
しばらくしてメールをチェックするとETCから身に覚えのない請求が。なんだこれ?まあいいか。
当時はより馬鹿だったからあまり気にしていなくて覚えてないけど数百円の請求が数十回、もしかしたら百回以上にわたって続いた。おそらく俺が落としてしまったETCを誰かが不正利用してたんだろう。なんとこの事態を1~2年くらい放置していた。
結局1~2年越しに楽天に電話してETCも解約したけどそれまでにいくらドブに捨てたことか。当時の俺をぶん殴りたい。馬鹿すぎ。
今ではNISA民に
余談だけど、2年前に借金を完済してから半年後にはある程度の信頼が回復したのか、三井住友クレジットカードを作ることができた。
そしてついに念願だったつみたてNISAを始めることができクレカ払いで1年半積み立てを続けてる。
空白の5年間
借金が始まってから完済まで約5年間。欠乏の罠により思考能力が低下しているこの5年間は、ほぼ中身の無い空虚なものだった。
新しい何かを始めるという気力が湧かない。仕事の給料も低かったけど転職活動なんて面倒臭くてできない。何も得られること無く借金だけがゼロになり5年後にタイムスリップしたような感覚。経験値浦島太郎状態。借金をすると、本質的には時間も失うことになる。
借金額
てかどれくらい借金してたの?というと、わからない。自らの借金額の把握すらできない程の馬鹿さ加減だったんだ。もはや狂気の沙汰。
- マイカーロン
- Amwayの空気清浄機・浄水器・鍋のローン
- 消費者金融
- 個人から借りた金
何となくだけどピーク時で多分200万円くらいだと思う。
消費者金融
そう、俺はあろうことか消費者金融にも借金してたんだ。何で銀行融資じゃないの?というと、お察しの通り信用情報に傷が付き借りられなかったから。
「借金しないほうがいい」とか言ってるけど住宅ローンとかと消費者金融を一緒にすんなよ。って意見があるのはわかる。けど借金をするということは、それは身の丈に合っていない生活だということ。人様からお金を借りて身の丈に合わない生活をしていることには変わりない。
消費者金融に手を出した経緯
10年前の俺は若気の至りで車に興味も無いのにレクサスなんていう高級車を中古で購入した。マイカーローンを月6万円で組んだ。元々金遣いが荒く、支払いがギリギリだったこともあった。それがAmwayを始めて出費が増えると当然そつなく支払えるわけがない。
そしてある日、俺は凶行に走る。その月、既にマイカーローンの支払いとして引き落とされてしまった6万円を他の支払いにあてたくて返却してもらったんだ。
どの支払いかは覚えてないけど、どうしても支払わないといけないものがありそちらを優先したかった。だからローンを組んでいる会社に連絡して6万円を返却ののち延滞させてもらった。これが底なし借金沼への入口だった。
おそらくこの凶行が原因で信用情報に傷が付き、銀行融資を受けることができなくなった。ローン支払いの返却を求めるくらいならこの時点から銀行融資を受けておくほうがまだマシだったと思うけどもう遅い。俺は消費者金融に手を出した。
さらば消費者金融
俺が手を出した消費者金融は3社。アイフル、プロミス、レイク。合計の上限が70万円。当時のレイクは厳密にいうと消費者金融ではないけどまあそんなことはいい。
2年前に完済してはいたんだけど、最近終活というものに取り組んでいて自分の色んなものを整理していくうち、
そういや消費者金融って完済はしてるけど解約作業はしてないからまだ残ってるじゃん。ということを思い出し、
昨日ようやく解約してきた。その流れで、この記事のネタを思いついた次第。
これで本当に消費者金融とオサラバできた。さようなら。あの時は金貸してくれてありがとな。もう二度と来ねえよ。
まとめ
借金をすると頭の良い人は普通の人に、普通の人は馬鹿に、馬鹿はとんでもない馬鹿になる。俺はとんでもない馬鹿になって首が回らず負のループに陥った。
借金をしても全く負い目を感じず、IQを落とさないメンタルおばけ。かつ良い借金のできる優秀な人。そんな人以外は基本的に借金なんてしないほうがいい。
俺は金利の低いローンだろうと何だろうと、クレカ一括払い以外の借金をする気は今後一切無い。二度とあんな思いをするものか。